2025年度理事長所信

【はじめに】

1970年10月14日、志ある青年が集い、全国で450番目の青年会議所として、旧原町市、旧小高町、旧鹿島町、飯舘村を活動エリアとし、原町青年会議所(以下、「JCI原町」)が誕生しました。近年においては東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故による影響が残る中、また、新型コロナウイルスの感染拡大など、様々な予期せぬ事態に直面しながらも、時代の変化に柔軟に対応し、地域と共に歩みを続けてまいりました。いつの時代もそこに存在していたのは、自らの手でこの地域の明るい未来を切り拓くという気概を持った青年たちの、並々ならぬ行動と挑戦の連続であったと確信しています。
次は私たちの番です。創立55周年を迎える今、私たち一人ひとりの手で、我々自身が、そして子どもたちが誇れる地域を創っていくための、新たな挑戦の一歩を踏み出すことが必要です。

 

【創立55周年に向けて】

創立55周年は、我々の偉大なる先輩方が紡いできてくださった歴史に感謝をする機会であるとともに、未来に向けて新たな希望を指し示す機会であると考えます。55周年という節目にあたり、JCI原町としての価値や課題を再認識するとともに、これまでの学びや経験を改めて言語化し、一つの指針となるビジョンを作成する必要があります。
また、創立55周年記念式典及び記念事業においては、地域の方々に対して、我々が描く地域の明るい豊かな社会の姿をお示しする機会とし、そして5年後10年後さらには50年後の地域を牽引し続け、社会課題を解決するために地域に大きなインパクトを与え続けていく団体であると、力強く発信することをお約束します。

 

【地域の魅力を未来へ繋ごう】

我々の地域には一千有余年の歴史を誇る国の重要無形民俗文化財である相馬野馬追があります。2024年には開催時期が7月末から5月末に変更となるなど、伝統文化も時代に合わせてより良い形を目指し、模索を続けながら実施しています。これまで継続事業として一年一年、子どもたちに地域の魅力である伝統文化と向き合っていただき、またその自由な発想で描いた絵画を通して地域の魅力を市内外に発信してまいりました。この絵画展事業も大きな節目を迎えていますが、今後もふるさとに誇りを持ち心豊かでたくましい子どもを育成していくために、時代の変化に合わせて目的を再確認しつつ、子どもたちが地域の誇る伝統文化と向き合う機会を創出してまいります。
また、福島イノベーション・コースト構想に基づく福島ロボットテストフィールドや、さらには福島国際研究教育機構との連携により新たな産業の創出が進むなど、この地域には新たな地域の魅力、強みと言える分野が力強く育ってまいりました。我々の住み暮らすまちには、たくさんの魅力があります。気づいていない、あるいは認識していないだけで、それは当たり前のものではないのです。希望ある未来を創っていくためには、市民一人ひとりがそのような地域の魅力を強く認識することが必要です。地域の魅力を皆で誇りに感じられる、そんなまちづくりへの取り組みを行ってまいります。

 

【子どもたちとともに歩むまちづくり】

2024年度のJCI原町では、自己を確立するための大切な時期を迎えている中学生に対し、自ら考え行動できる人財へ成長してほしいとの思いから「中学生と共創するまちづくり事業」を展開してきました。中学校の垣根を超えた交流や、地域社会で活躍する大人との交流など、普段の学校生活の中だけでは得られなかった様々な価値観や経験を獲得することに繋がっております。2024年度に得ることの出来た各学校や中学生たちとの結びつきをさらに発展させ継続することで、各々の価値観を形成し始める中学生たちの地域への帰属意識や愛郷心を育み、10年後20年後の地域リーダーを育成することが出来ると確信しています。
愛郷心を育むとともに自ら主体的に考え行動できる人財の育成に資する機会を今年度も提供してまいります。

 

【地域に誇れる組織づくり】

運動を進めるにあたり、根幹となるのは盤石な諸会議の運営を始めとする堅実な会の運営です。さらには、持続可能性のある組織であり続けるために、これまで積み重ねてきた経験だけではなく、「誰のために」「何のために」行っているのか、改めて一つ一つの意味を見つめなおすとともに、目覚ましい発展を遂げ続ける最新の技術を取り入れるなど、時代の変化に合わせた手法を取り入れていくことも必要です。時代に即した柔軟な発想による組織運営をしていくことにより、より魅力ある組織としてまいります。
また、諸団体や行政機関等、多くの団体と連携を取り、繋がりを強化することも地域に根差した団体として必要不可欠です。そして、JCI原町としての存在価値を高め、地域に必要とされ続ける組織づくりを進めていくためにも、まずは地域の皆様に我々の活動運動を今まで以上に知っていただかねばなりません。「伝える」だけに終わらず、我々の活動運動がきちんと「伝わる」広報を心掛け、効果的かつ意欲的に情報発信を強化していくなど、JCI原町の価値を高める組織運営をしてまいります。

 

【仲間を増やし運動の輪を広げよう】

我々の目指す社会を実現するためには我々の活動・運動の考え方に共鳴する仲間を増やしていかなければなりません。我々のような、地域を少しでもより良くしようと考え行動する、英知と勇気と情熱をもった青年が地域に一人でも多くいることが、地域の未来にとっては必要不可欠です。まずは我々自身が生き生きと活動し、丁寧な情報発信や説明を行うことで、共感の輪を広げ、一緒に活動したい、入会したいと思っていただく仲間を増やしてまいります。そして、より多くの地域の青年に地域を牽引する人財へと生まれ変わる発展と成長の機会を提供してまいります。

 

【持続可能な人財育成のために】

地域を少しでもより良くするために、地域を牽引するリーダーを継続的に育成・輩出していくことが必要です。JCにはリーダーとしての資質を磨き上げるためのあらゆる機会が存在していますが、その機会を掴み取り、いかすことが出来るかどうかは自分次第です。自分自身で考え、選択し、主体的に行動することで成長を遂げることが出来るのです。また、持続可能性のある組織であり続けるためには、特に新たに加わった仲間に対してまず我々の理念を一層丁寧に伝え、スムーズに活動・運動に参画出来る環境づくりが必要です。私が入会した当時、多くの先輩方が私の不安な心に寄り添ってくださいました。事業への参加呼びかけや、事業や活動の意義についても適宜丁寧に教えてくださったおかげで、活動へ参加する回数も増え、一人ひとりに寄り添うことの大切さや、主体的に周りを巻き込んで事業を展開していく尊さを学んでいくことが出来ました。これまでも会員の育成や資質向上のために様々なアプローチで取り組んでまいりましたが、今一度会員一人ひとりへの向き合い方を再考し、次代に向けたふさわしい形を構築し引き継いでいかなくてはなりません。
私は、ひとづくりこそがまちづくりであると考えます。一人ひとりに寄り添う心を大切に、主体的に物事に取り組んでいくことの出来るJAYCEEを育成し、地域を牽引する人財を輩出してまいります。

 

【JCのスケールメリットをいかそう】

近年、在籍年数が短いまま卒業を迎える会員が増えてきています。限られた時間の中で、他の多くの地域、職業、環境に身を置く会員と繋がり、相互に切磋琢磨を繰り返すことでより濃密な学びや経験を得られるのだと考えます。JCI原町の事業以外にも、各協議会、JCI日本が主催している各種事業に参加することや、我々の友好JCである一般社団法人成田青年会議所との交流を通し、JAYCEEとしての意義や多角的な視野を持った人財の育成に繋がっていきます。一人でも多くのメンバーがJCのスケールメリットを感じられる機会を提供してまいります。

 

【青少年の健全な育成のために】

JCI原町では青少年の健全な成長のため、小学生を対象としたわんぱく相撲を長きにわたって開催しています。全国大会では2019年から創設された女子の部と共に、全国大会へ勝ち進む子どもたちも増えてまいりました。子どもたちは勝利を目指して一生懸命に努力し、また、勇気を振り絞り真剣に相手と向き合います。「スポーツとしての相撲」を通じてたくましく成長するとともに、思いやりの精神や感謝の気持ちを育み、勝ち負けだけではない「心技体」を育成する機会として、本年度もわんぱく相撲を開催いたします。

 

【結びに】

私は、知り合いを増やしたい、繋がりを増やしたいといった理由で、青年会議所とは何かよく分からないままJCI原町に入会しました。その中で、家族、会社、地域に対して熱い思いと誇りを持ち、まっすぐに地域の未来を語り行動をし続ける諸先輩方と出会い、その姿に憧れ、共感をし、今日まで活動を続けてきました。
今我々の住むまちは当たり前に出来上がったものではありません。この時代を生きる我々の今の一歩一歩の歩みが、これからの我々のまちを創ります。今我々に出来ることは何なのか。JCにしか出来ないこと、JCだからこそ出来ることに堂々と取り組み、この地域に生まれて良かった、この地域に住んで良かったと思える人を増やし、共感の輪を広げていきましょう。
これまでの歴史を胸に、次の世代へと繋がる新たな挑戦の一歩を踏み出します。多くの仲間と共に、地域の明るい未来を創り上げましょう。