2026年度理事長所信

一般社団法人原町青年会議所
第57代理事長 佐藤 晃大

【はじめに】

魅力ある地域をつくりたい。魅力ある組織を築きたい。そして、魅力ある人間でありたい。
原町青年会議所に所属し、私はこの想いが胸に湧いてきました。歴代の諸先輩方が築き上げ、守り伝えてこられたこの組織に関わる中で、地域や組織をより良くしたいという情熱は一層強まりました。

なぜ私は、これほどまでに地域や組織のために力を尽くしたいのか。考え抜いた末に辿り着いた答えは「価値」という言葉でした。
魅力ある地域には固有の価値があり、その地域に根差す団体や組織にもまた価値がある。そしてそこに集う人々にも、かけがえのない価値が宿ります。

現在の原町青年会議所が持つ地域的価値、人財的価値は、紛れもなく諸先輩方が築き上げた宝です。しかし価値は時代とともに変化し、創造し続けなければ衰えていきます。新たな価値を生み出すことこそ、地域の成長と組織の存続を支える礎です。

そのためには「人に必要とされる組織、人に必要とされる人間」になることが不可欠です。地域が求めるものに真摯に応え、ニーズを探り、検討し、形にしていく。それこそが原町青年会議所の使命だと私は考えます。

本年度は、新たな価値を創造し、その積み重ねを未来世代へ確かに引き継ぐための組織基盤の確立に全力で取り組んでまいります。

 

【10年後、20年後、100年後を見据えて】

昨年度、諸先輩方や地域の皆さまのご支援を受け、創立55周年を迎えることができました。会員数は創立当初に比べて減少傾向にありますが、地域を想う青年が多ければ多いほど、地域と向き合う機会は増え、より良い事業が生まれ、地域への還元も大きくなります。

時代の流れに逆らってでも、私たちはこの地域を想う仲間を増やすべきです。今年度は、原町青年会議所への入会に「価値」を見出し、共感してくれる未来のリーダーたちを仲間に迎えることを最優先とします。

特に、これまで出会うことのなかった新しい仲間とのつながりをさらに広げてまいります。地域の経営者やその幹部はもちろんのこと、個人事業主やフリーランスなど、多様な立場の方々とも引き続き関係を深め、この地域を共により良くしていく新たな価値を作りあげていきます。

100周年の節目、同じ時代を共に過ごした仲間と笑い合い、次代を担う後輩たちに誇りを持って応援できるように——。その未来を実現するため、私たちは自らの行動に自信を持ち、地域の方々に想いを伝え、共感と賛同を得て、志を同じくする仲間とともに原町青年会議所の価値を創り上げていきます。

 

【未来のリーダー育成】

昔も今も、そして未来も、原町青年会議所は地域活性化に不可欠な存在です。次代を担う子どもたちに地域の価値と当会議所の存在意義を知ってもらい、共感してもらうことは重要です。

特に将来の進路を模索し始める中高生と共に地域の未来を考えることは、彼らがより深く地域に向き合うきっかけとなります。それは、自らのキャリアを主体的に描く力を育み、地域に貢献する若者を増やすことにつながります。

中学生に関しては、この地域の現状を学び、原町青年会議所のメンバーと共に、「より良い未来のために必要なことは何か」に取り組んでまいります。学校の垣根を越えて互いに意見を交わし合う過程そのものが、自らの視野を広げ、地域への帰属意識を芽生えさせ、仲間と課題を解決していく力を育むことにつながります。こうした経験は、将来社会に出たときに壁に直面しても、自信を持って乗り越えていける大きな糧となるでしょう。

さらに高校生に中学生の活動を支える役割を担ってもらい、ともに取り組んでまいります。年下の世代を導き支える経験は、高校生にとってリーダーシップや協働力を養う大切な機会となります。中学生に寄り添いながら一緒に学び、時には背中を押す立場に立つことで、責任感や主体性が磨かれ、将来大学や社会に進んだときに求められる力を自然と身につけることに繋がります。

また、高校生と中学生が互いに刺激を受け合いながら活動することは、世代を超えた学び合いを生み出し、地域全体に一体感と連帯感を育みます。私たち原町青年会議所は、その世代間を繋ぐ架け橋として伴走し、若い世代が共に共感できる環境を整えてまいります。こうした経験は、高校生自身にとって、地域を支える人財としての自覚を育むとともに、未来において地域へ還元できる大きな力となるでしょう。

そして、この世代を超えた学びの連鎖こそが、この地域に新たな価値を生み出し、未来へと確かに受け継がれていくのです。

 

【地域一丸となって子どもたちを応援しよう】

当会議所では、小学生を対象とした「わんぱく相撲原町場所」を30年以上継続して開催してきました。長い歴史を持つこの事業を、さらに多くの方に知っていただき、地域の大切な行事として根付かせていくことが必要です。

なぜなら、この場は子どもが勝ち負けを超えて努力や礼節を学び、心身を大きく成長させる機会となると同時に、大人たちが世代や立場を超えて協力し合う場でもあるからです。子どもを支えるために地域の大人が集い、一体となって応援する姿勢は、地域全体に強い連帯感を生み、まち全体の信頼と安心感を育みます。

これまで培ってきたわんぱく相撲原町場所の価値を最大限に発信し、地域全体で子どもたちを応援する風土を醸成してまいります。

 

【魅力ある組織の発信】

この地域には第1次産業から第4次産業まで、多岐にわたる業種・企業が存在します。全国的に見ても、少子高齢化や産業構造の変化が進む中で、業種や企業間で互いの強みや役割を十分に理解し合えず、本来なら生み出せる協力や相乗効果が活かしきれていない場面が少なくありません。

だからこそ、私たちはこの地域においても、業種を越えて情報や経験を共有し合い、互いの価値を理解し高め合うことを大切にしてまいります。お互いを知ることは新たな協働の可能性を広げ、信頼関係を強め、地域全体に好循環をもたらします。

そして、この取り組みを通じて、全国的にも共通する課題の解決に向けた一つのモデルをこの地域から示してまいります。

もし一人ひとり、一社一社が互いに存在や強みを理解し合える社会になったなら、この地域は単なる集合体ではなく、強い結びつきを持った共同体として成長していけるはずです。

そうした未来を目指し、私たちは組織としての魅力を広く発信し、地域全体の発展に寄与していきます。

 

【子どもからはじまるまちづくり】

青年会議所は単年度制を基本としていますが、地域課題の解決には中期的な視点も欠かせません。
創立55周年の折に掲げた中期ビジョン「子どもからはじまるまちづくり」。その実現に向けた5年間の運動の、まさに初年度が本年度となります。

まずは行政や教育機関、地域の企業や保護者の皆さまと共に課題を丁寧に抽出し、それぞれの立場で果たすべき役割を明確にしながら、子どもたちの学びや成長を支える体制を築いていきます。行政は制度や仕組みを整え、教育機関は日々の学びを支え、企業は地域ならではの体験や将来の職業観に繋がる機会を提供し、保護者は家庭での教育を通じて子どもたちを支えます。そして、私たち青年会議所は、それらをつなぎ合わせ、協働の輪を広げていく役割を担います。

学習機会の格差や体験の不足、進路情報の偏りなど教育的な課題は、一つの組織では解決できません、しかし、地域全体が力を合わせることで、子どもたちが自らの可能性を信じ、夢や目標を持って歩んでいける環境が必ず実現できます。

私たちは、その第一歩を踏み出し、成果を次世代の会員に引き継ぎ、より良い運動の連鎖を築くことで、この地域に「子どもを起点とした新たな価値」を育んでまいります。

 

【まちの未来を共に描くために】

地域の未来を担うリーダーが自らの政策や考えを示し、市民がその理念や姿勢を理解し、自らの意思で判断できる環境は、とても大切です。

これまでの選挙においては、候補者の政策や考えに触れる機会が限られ、有権者にとってその違いを十分に理解することが難しい場合もありました。その結果、将来像ではなく一時的な印象に左右される危険性も否めません。

私たちは、市民一人ひとりが南相馬市の未来を「自分ごと」として捉え、より良い選択ができるような土壌を整えてまいります。そして、このような取り組みが、子どもたちの成長や次世代の暮らしに直結する未来を見据え、大人が責任ある判断を果たすことに繋がると考えています。

公平かつ中立な立場を堅持し、誰もが安心して関わることのできる環境を築きながら、健全な民主主義と成熟した市民社会の実現に寄与し、南相馬市の未来を共に描いてまいります。

そして、それこそがこの地域に新たな価値を生み出し、未来へと受け継がれていくのです。

 

【当会議所の価値を示す組織運営】

青年会議所は他団体の模範となるべき存在であり、会議運営にも揺るぎない信条と信念があります。時代が変わっても守るべき価値がある一方、未来を見据えて大胆に変えていくべき部分も存在します。

全会員が参加しやすい環境を整え、会議の効率化を図り、持続可能な組織基盤を構築することが必要です。変化には困難も伴いますが、現状維持こそ最大のリスクです。

未来の会員たちのために、私たちは変化を恐れず挑戦し続けます。それが組織の価値となり、地域・会員双方に好循環を生み出す原動力となります。

 

【世代と地域を越えた友情の力】

私たち原町青年会議所は、2014年9月28日に一般社団法人成田青年会議所と友好JC締結式を執り行い、以来約10年間、深い友情と信頼を育んでまいりました。京都会議や全国大会での再会や、コロナ禍におけるオンライン交流など、時代や環境に応じて形を変えながらも、互いに絆を大切に守り続けてきました。

締結当初の多くのメンバーが卒業し、今では新たな世代へと引き継がれています。世代交代を経ても変わらぬ友情を礎としつつ、これからは現役世代同士が新たな関係性を築き上げ、互いの地域に新しい価値をもたらしていくことが求められています。

私たちは、この10年間の歴史を大切に振り返りながらも、新たな時代にふさわしい交流の形を模索し、世代と地域を越えた友情をさらに強固なものとして未来へとつなげてまいります。

そして次の10年へ向けて、互いに刺激し合い、高め合いながら、この友情を新たな価値として未来世代へ確かに引き継いでまいります。

 

【価値をつなぐ広報】

原町青年会議所では、SNSによる広報と紙媒体の会報誌「JCプレス」を通じて、組織の魅力と価値を地域へ発信しています。
SNS広報は、活動の「今」を瞬時に届ける力を持ち、地域との即時的な繋がりを深めます。

一方、JCプレスは、1年間の歩みや理念を丁寧にまとめた紙媒体として、手に取って心に響かせる深い伝達を可能にしています。バックナンバーも公開しており、継続的な記録として地域に根付いています。

私たちは、これらの特性を活かしながら、地域の方々に原町青年会議所の魅力と存在価値を実感していただけるよう努めてまいります。広報とは、単に情報を伝えるための手段ではなく、共感を育み、関わりを広げるための価値の架け橋です。

その情報発信によって、一人ひとりが地域の価値を感じ、それぞれの立場で未来へつなげていく。それこそが、私たちの信じる広報の役割であり、この地域の新たな価値を共創していく力になると確信しています。

 

【効率的な仕組みづくり】

インターネットの普及により情報社会が急速に進展し、「タイムパフォーマンス」の概念が当たり前となりました。私たちも時代のニーズに即した仕組みを取り入れる必要があります。

DX化の観点からも、まずは挑戦し導入してみることが大切です。今年度は理事会や委員会運営にDXを積極的に取り入れ、5年、10年後の会員が効率的に活動を展開できる環境を整えていきます。それこそが新たな価値となるはずです。

 

【さいごに】

本所信では、2026年度に向けた私の決意を述べましたが、何よりも大切なのは常に感謝の心を忘れず、相手を思いやることです。

そして、何事も当たり前ではなく、「ありがとう」の気持ちを持って運動を展開して参ります。

2025年度、地域の皆さま、青年会議所関係各団体、現役会員の皆さま、汽水会OB会の先輩方、そして家族に支えられ、創立55周年記念式典を無事開催することができました。

その一つひとつのご支援やご厚情が、原町青年会議所にとって大切な「価値」であり、活動を続ける力の源泉です。

45年後、100周年を迎えるとき、私たちが語り合いたいのは、「共に歩んだ日々は尊く、地域のために力を尽くしたことが誇りであった」という未来です。その未来を実現するのは、今を生きる私たちが積み重ねる「価値」の一つひとつにほかなりません。

地域に寄り添い、人に必要とされることが価値となり、仲間と支え合い挑戦を重ねることが価値となり、そして未来の子どもたちに希望を託すことが、原町青年会議所にしか生み出せない価値だと信じています。

後に振り返ったときに、この地域のために尽くした軌跡が誇りとなる未来を築いてまいります。

これからのこの地域のより良い未来のために 「価値」の創造と継承をしていきましょう

 

地域に、人に、求められる組織に